ダミー本とは、これから作ろうとしている絵本の設計図のようなものです。
縮小版でもかまいませんが、ページ数や綴じ方は、実物と同じにします。
そしてもう一つ、大事なことがあります。
それは、絵本を縦書きにするか横書きにするか、ということです。

横書き本は話が右へ右へと進むのに対して、縦書き本は左へ左へと進みます。
例えば主人公が旅に出るとすると、横書き本の場合、主人公は右へ向かって歩いて行くのが自然です。従って絵の構図もそのようになります。

ダミー本は、実物の絵本の「本文」部分を作ると良いでしょう。
すなわち、本文表紙と、いくつかのシーンと、奥付です。
奥付というのは、
題名、作者名、制作日 制作場所が記された部分です。
奥付の場所は特に決まりはないようですが、最後のことが多いです。
横書き本と縦書き本では、構成が反対になります。
ダミー本作り方
ダミー本の紙は、コピー用紙で十分です。
綴じ方については「綴じ方別 本文作り方」で説明しているので、ご一読下さい。
中綴じ・平綴じは先に綴じて、本の形にしてからから書きます。

中綴じは、一つのシーンの左右のページが別の用紙になります。
製本後に手書きするなら問題ありませんが、印刷原稿を作る場合は、ダミー本が分解出来ると便利です。
なので私は、写真のように中央をヘアピンで留めています。
平綴じは、ダミー本を見ながら原稿が作れるので、ホチキスで綴じています。
貼り合わせ綴じは、先に絵を描いてから本の形にします。
写真は折り側をクリップで止めていますが、軽く糊付けしてもよいでしょう。
小口を2枚ずつめくることになり、めくりづらいのでこちらも糊付けすると良いのですが、
シーンを差し替えて直す時のために、すぐ剥がせるように貼ります。
ダミー本 書き方と活用法
下の写真は、ダミー本と完成本の同じシーンです。
ダミー本は、シーンの追加や入れ替えを前提としているので、絵を丁寧に書く必要はありません。

けれども、文章は実物と同じにします。内容はもちろん、改行も同じにします。というのは、何度も読み返して推敲するためです。
絵が非常に重要な絵本の場合でも、ダミーの段階では、絵を詳しく描くより、絵の意図するところを文字で記す方が良いと思います。
ダミー本は、何度も読み返し、出来れば誰かに読んでもらいます。
書いた当人は分かっていても、初めて読んだ人には分からない、ということはよくあります。
人の感想を聞き、客観的に自分の作品を見ることが大事です。