私の製本は自己流で始めました。
ここで紹介している布張り製本の方法は、わりと早い時期に書き上げたものです。
そのあと、
美篶堂(みすずどう)という製本工房の講習を受ける機会があり、
他の方法を学びました。
その一つが「文庫本を布張り上製本に仕立てる」という講習で、完成したのが写真の黄色地の本です。
この黄色の本は木綿布を和紙(半紙)で裏打ちしています。
それ以外はわたし流の方法で、アイロン接着芯で裏打ちしています。
裏打ち
裏打ちとは裏に布や紙を張って厚く丈夫にすることをいいます。
簡単に特徴を挙げると以下のようになります。
和紙(半紙)で裏打ち |
安価。全面に紙を貼るので、製本方法は紙のハードカバー製本と同じになります。
見た目は、芯の板紙の堅さがそのまま現れます。ピシッときれいに堅いです。 |
アイロン接着芯で裏打ち |
紙に比べて材料費がかかる。正確に寸法を計算しないといけないので、製本はやや面倒。
表面に、こっくりした厚みと弾力が生まれ、高級感があります。 |
厚手の和紙を使うと、また違ってくるでしょうね。本の内容によって使い分けたら良いかもしれません。
こんな感じの本が出来ます
わたし流布張り製本でこのような本になります。

説明に使っているのは、知人に頼まれて制作した「書」の本です。
筆で清書した自作の短歌と、色紙などに描かれた俳画をスキャンし、絵本感覚で編集しました。
筆のかすれや墨のにじみをできるだけ再現できるように、本文の紙を選びました。平綴じです。
ハードカバー製本が初めての方は、「本格的ハードカバー製本」をご一読下さい。